注文住宅のデザインの決め方や失敗しないための注意ポイントとは
「新築一戸建ての外観デザインで悩んでいます」という人も多くいるでしょう。建売住宅や中古戸建てと違い、注文住宅ではすべてのデザインを自分好みにすることができます。注文住宅のデザインの決め方や、失敗しないためのポイントについて詳しく解説をいたします。
注文住宅の外観デザインの種類
注文住宅のデザインのなかでも、外観はもっとも重要なことだと言えます。外壁は、家に出入りする時、かならず視界に入ってくるもので、何十年も目にするものになります。
そして、外観は自分を含めた家族だけでなく、隣近所の人や通りすがりの人たちなど、多くの人から見られる部分です。外観は家そのもののイメージにつながってきます。
外観デザインを決める際には、まずはおおまかなイメージの方向性を固めましょう。ここでは住宅の外観デザインに用いられることが多いテイストについて、解説します。
和風
和風デザインは、日本に古くから伝わる、日本ならではの建築デザインです。木材を多く使い、切妻屋根にしたり、玄関に引き戸を採用するなど、日本の気候に合った、伝統的な建築様式を重視したい方におすすめです。
洋風
洋風デザインは、ヨーロッパやアメリカなど、海外の伝統的な住宅デザインを取り入れた建築デザインです。レンガやタイルなどを外壁に用い、ドアやベランダに装飾があるデザインが特徴です。
モダン
モダンデザインは、直線的でシンプル、全体的にシックな色合いを用いたデザインを指すことが多いです。西洋風のデザインと、現代ならではのデザインの双方を取り入れているデザインを洋風モダンとも呼びます。
和モダン
和モダンとは、日本家屋ならではの和を取り入れたデザインと、現代ならではの住宅デザイン、両方の良いところを取り入れているデザインのことです。
シンプル
シンプルデザインとは、無駄を排除したスッキリしたデザインです。屋根がなかったり、軒がなかったり、個性的なデザインのことも多いです。
その他
上記の分類以外にも、北欧テイストやアーリーアメリカンなど、住む人の趣味や個性が強く出たデザインもあります。一見倉庫にも見えるコンテナと呼ばれる住宅もあります。
▼こちらの記事尾では注文住宅の外観の決め方について解説した記事になります。
外観のデザインを決める要素
注文住宅のデザインを考える際に、もっとも重要な要素は外観です。外壁は、家を出入りする時、かならず視界に入ってくるもので、何十年も目にし続けることになります。
そして、外観は自分を含めた家族だけでなく、隣近所の人や通りすがりの人たちなど、多くの人から見られる部分です。外観は家そのもののイメージにつながるのです。外観デザインを決定づける、7つのおもな要素について、種類や特徴をご紹介します。
建物の形
建物全体の形によって、住宅から受ける印象は変わります。また、直線的でシンプルなスクエア型に対し、複雑な形になればなるほど、建築にかかる費用が増える傾向にあります。
屋根の形
建物の屋根は、雨、雪や風などから家を守り、熱さや寒さを防ぐといった役割があります。屋根の形も住宅の印象に関わってきます。屋根の形や、使っている材質によっても、コストが大きく変わってきます。
一般的には、屋根は建物の外観に沿ったテイストのデザインにすることが多いです。しかし、デザインを優先しすぎると、雨漏りしやすくなったり、メンテナンスに多額の費用がかかってしまうこともあります。
住宅に用いられている主な屋根の形は、以下の4種類です。それぞれの特徴を紹介します。
切妻(きりづま)屋根
切妻屋根は、2つの傾斜によって成り立つ三角屋根のことです。シンプルな形状で、さまざまなテイストの建物にも合わせやすいため、多くの住宅で採用されています。
形がシンプルなので、水はけがよく雨漏りが起こりにくいというメリットがあります。寒い地域でも屋根に降り積もった雪を落とせるので、降雪によるリスクを防ぐことができます。短い期間で施工でき、費用を抑えられることも特徴です。
寄棟(よせむね)屋根
寄棟屋根は、4つの方向に向かって下がっている形状の屋根のことです。古くから日本の家屋で用いられてきたため、馴染みが深い人も多いでしょう。
和風だけでなく洋風の建物にも合わせやすく、4つの方向に屋根があるので、外壁を強固に守ることができます。また、耐久性に優れているのもメリットです。
片流れ
片流れ屋根は、1つの面のみに傾いている屋根のことです。シンプルでスタイリッシュな印象があり、太陽光発電パネルを設置しやすいというメリットもあります。また、設置費用が抑えられ、メンテナンスしやすいことも特徴だと言えます。
陸
陸屋根は、屋根が水平になっている平らな屋根を指します。ほぼ水平の屋上があり、防水処理が施されています。鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物向けの形状です。屋上をバルコニーとして活用できるメリットもあります。
建物の色
建物の色も重要な要素です。外壁の色として人気が高いのは、ベージュやグレーなど、ナチュラルなイメージの色でしょう。ベージュやグレーは、ほこりや汚れが目立ちづらいことも人気の理由です。
外壁の色を決める場合の注意点としては、サンプルで見た色でも、実際に外壁に使うと少し明るく見えるということです。色を塗る面積が広いと、その分明るく見えるという効果があるからです。外壁には理想よりも少し暗めの色を選ぶと良いでしょう。
また外壁は1色だけでなく、たとえば2種類の色を使ってツートンにすることも可能です。ツートンカラーの場合は、色の比率やバランスも考慮する必要があります。
外装素材
建物の色や形が同じであっても、外装に用いる素材が違うと、印象が変わってきます。外壁に用いられる主な素材の特徴やメリットについても紹介します。
タイル
タイルは土や石を高い温度で焼き固めた素材です。おもにヨーロッパなどの住宅に使われています。手間がかかる分初期費用が高くなりますが、耐久性や耐震性があり、寿命が長いのがメリットです。
塗り壁
セメントと砂を混ぜたモルタルなどを、建物に塗って壁を仕上げるのが塗り壁です。つなぎ目がなく、あたたかい雰囲気の壁になります。専門の職人による施工が必要です。
サイディング
サイディングとは、板のような形の外壁材を貼り付ける手法です。外壁材には、セメントやセラミックなどが使われています。工事期間が短く、お手入れしやすいことが特徴です。
カラーバリエーションが豊富で、デザインもさまざまなタイプから選ぶことができます。好みの素材やデザイン、テイストを選ぶことができるのがメリットです。
ガルバリウム
ガルバリウムはサイディングの一種で、金属系の外壁材を貼り付ける手法を指します。断熱性、防音性、耐久性が高いことが特徴です。
ALC
ALCとは、軽量気泡コンクリート(Autoclaved Light-weight Concrete)と呼ばれる素材の略称です。衝撃、断熱、耐火などにとても優れています。耐用50年と言われるほど耐久年数が長いため、超高層ビルなどで用いられています。
外壁はすべて同じものにするだけでなく、部分的に違う素材を使用することも可能です。全体のバランスを考えながら、好みの素材を好きな場所に使うことで、違った雰囲気の建物にすることができます。
窓
窓には外からの光を取り込み、風を通すという役割があります。また、住宅内の温度や湿度をコントロールしたり、住宅内から外の景色を見るためにも窓は必要です。
窓は機能面だけでなく、デザイン面でも重要なポイントです。出窓や掃き出し窓、天窓など、種類も豊富にあります。開け方も横開きだけでなく上げ下げ窓もあれば、開かない窓もあります。ガラスの種類やサッシにも、たくさんの選択肢があります。
窓の大きさ、設置する数、設置する高さなどによって、住宅全体の印象は大きく変わります。窓を多く設置するとその分光が入り、通気性が上がります。しかしコストがかかるうえに、プライバシー保護や防犯にも配慮する必要があります。
玄関ドア
玄関ドアは住宅を出入りするところであり、来客を出迎えるところです。まさに家の「顔」とも言える部分です。
玄関には断熱や防火といった役割もあります。また、外壁のなかでも大きな部分を占めるので、外壁と調和するデザインかどうかも大切です。
玄関の開き方だけでも、引き違い戸、片引き戸、両開き戸や親子ドアなどの種類があります。住民の年齢や環境なども考えて、バリアフリーやセキュリティ面での配慮も必要です。
特にセキュリティは重要で、ディンプルキー、カードキータッチキー、リモコンキーなど、鍵の種類も多岐にわたっています。ガラスを入れる場合には割れにくいものにしたり、色は目立たないようにするなど、工夫も必要です。
庭・外構
注文住宅の場合には、建物だけでなく庭や外構もあります。全体的にデザインを統一することも必要となってきます。自家用車を所有する予定であれば、車を置く場所や車での出入りについても、不便にならないように考慮する必要があります。
外構をデザインするときには、防犯面にも気を付けましょう。外部の人が簡単に入り込めないような工夫が必要です。
▼こちらの記事ではおしゃれな注文住宅をたてるポイントを紹介しています。
注文住宅の外観デザインで失敗しないために注意すべきポイント
外観デザインを決める際には、いくつかのポイントを押さえておくことで、スムーズに進めることができます。以下に4つのポイントを取りあげ、それぞれについて解説していきます。
自分好みの写真や図などを用意する
こんな感じの外観にしたい、というイメージがあっても、言葉のみで業者に希望を詳細に伝えることは難しいときもあります。
写真や画像などイメージに合うものを用意して、見せながら説明をすることで、希望が伝わりやすくなります。さまざまな角度からの写真や画像を準備できるとさらに良いでしょう。
外構工事費用を残しておくこと
注文住宅を建てるというと、どうしても建物にばかり意識が向いてしまいます。しかし、外構工事は建物の工事費用とは別になります。外構工事のための費用も、予算に含めておきましょう。一般的に費用の相場は、建築費用の1割ほどだと言われています。
▼こちらの記事では駐車場を造る際の注意点について詳しく解説した記事になります。あわせてご覧ください。
疑問点や不安箇所は早めに解決
外構に関する疑問や不安に思うところがあれば、できるだけ早めに業者に質問をするようにしましょう。
設計案の段階で問題を解決できないまま工事に取り掛かっては、外観を変えることがとても難しかったり、予定外の費用がかさんだりといった事態になりかねません。
耐久性とメンテナンス費用も必要であることを抑えておく
建物全体の印象を大きく左右する外壁においては、デザインや費用も重要です。しかし、それだけに気を取られていると、維持するために想定を超える費用や手間がかかる可能性もあります。外壁にはメンテナンスが必要となるのです。
工事費用が高い素材でも、メンテナンス費用がかからず、耐久性が高いものであれば、長い目で見れば住宅にかかる費用を安く抑えられるケースもあります。
内装デザインを決める要素
注文住宅の内装デザインとは、床や壁、天井といった住宅の構造だけでなく、建具や収納、家具など住宅に必要なすべて設備も含んだものを指します。
電気の小さな部品や金具まで、インテリアの細かいところもすべて自分の好きなようにデザインできるのは、注文住宅ならではのメリットです。デザインを決めるために必要なことをまとめます。
好みのテイスト見つける
住宅の内装を決めるには、最初にどんな家にしたいのか、理想とする家のおおまかなテイストやテーマを決めましょう。
たとえばシンプルや和風、ヨーロッパ風、カントリーなど。さまざまなテイストがあります。インテリア雑誌やカタログなどを参考にして決めることがおすすめです。
内装デザインを失敗しないために注意すべきポイント
住宅の内装を決める際には、どのような点に注意した方が良いのでしょうか。気を付けるべき4つの注意点について詳しく解説をします。
仕上がりの色がイメージと違った
壁や床、天井などの色を見本で選んだものの、完成したら思っていた色とは違ったということもよくあります。
色は使われている広さによってイメージが違ってきます。また室内の場合は、部屋の向きによって変わる太陽光の加減や、明かりなどによっても色の印象が変わってくることがあります。
天井や壁は明るめの色を使い、床は暗い色を使うことで、天井が高く見えます。部屋が広く見えるという効果を演出できるテクニックです。
暗い色は収縮色と呼ばれ、小さく見える効果があります。そのため、壁や天井を暗くすると圧迫感を覚え、実際よりも低く、狭いように感じるのです。敢えて壁を暗い色にすることで、逆に重厚な印象をつくりだすこともできます。
各部屋のスペース配分を間違えた
注文住宅では、限られた面積のなかでどのような間取りにするか、収納スペースをどうするか、といったスペース配分を考えることが大切です。
部屋は広い方が良い、収納スペースはたくさんあるのが良いと思い、広いスペースばかりにこだわった配分にすると、失敗してしまうこともあります。
リビングをとにかく広くしようとしたところ、エアコンの効きが良くないため、夏は暑く、冬は寒く、光熱費がかかる部屋になってしまうというケースもあります。トイレなどは必要以上に広いと、必要な物がとりづらくなって使いづらくなる可能性もあります。
また、ひとつの部屋を広くとったために、ほかのスペースが狭くなってしまう失敗もあります。洗面所や廊下や玄関などがとても狭く、すれ違いがしづらくなってしまったり、他の部屋が使い勝手の悪い形になり、必要な家具や家電、インテリアが置けなくなることも考えられます。
部屋は、狭すぎるのも不便ですが、広すぎるのも使いづらいものです。間取りを考えるときには、使いたい家具などのサイズを計り、図面に書き込んでみましょう。ドア、トビラを開けて家具を置いてもさらに余裕があるかどうかも確認しましょう。
間取りを考えるときには、自分を含めた家族が、どの部屋でどういった行動をするのか、1日の流れを把握することが大切です。そして、生活動線を考えながら、移動や家事などがしやすいように、各部屋や収納のちょうど良いスペース配分を検討していきましょう。
住宅は暮らすうちに、家族のライフスタイルが変わり、人数も変わることもあります。先を見据えた間取りにすることも大切です。
コンセントの数不足と設置位置の悪さ
内装のデザインで盲点とも言えるのが、電気のコンセントです。私たちの生活に欠かせない電気を使うために、コンセントは必須です。
住宅が完成し、実際に暮らしてみてはじめて、コンセントの数が不足していることに気づいたという例も少なくありません。
コンセントの数が少ないと、電気を使うためには、頻繁に抜き差ししなければいけなかったり、掃除機など移動しながら家電を使う際にコンセントまで遠すぎたり、長い延長コードを使って見た目が悪かったりと、不便を強いられてしまいます。
またコンセントの数そのものは足りていても、場所が低すぎる、高すぎるといった不満な点が出てきたり、家具やドアなどで隠れてしまい使いづらい、使えないというケースもあります。
設計の時点で、間取りに家具だけでなく、おもな家電をリスト化して書き込み、どこに置くかおおまかに決めておきましょう。書き込んで視覚化することで、コンセントの場所や数を決めやすくなります。
出入口の狭さ
間取りを考える際には、どうしても部屋や収納スペースそのものの広さばかりに目を向けがちです。しかし、出入口にも十分な注意を払うことも大切です。
いくら部屋やスペースが広くても、出入口を狭くしてしまうと、大きな家具や調度品、家電が入らず、使えないことになりかねません。使いたい家財は、サイズを計測し、早い段階で設計者に伝えるようにしましょう。
注文住宅のデザインで失敗しないために心得たいこと
注文住宅のデザインで後悔しないためには、どういったところに気を付ければ良いでしょうか。以下2つのポイントについて紹介します。
住みたい家のイメージを固めておく
住宅は、自分を含めた家族が1日のなかでもかなりの長い時間を過ごす場所となります。また、一度建てると何十年と住み続けることが一般的です。できるだけ後悔しないためには、建てる前にどんな家に住みたいのかイメージをしっかり固めることが大切です。
イメージを固めるためには、まず住んでみたいと思う好きな家の画像やイラストなどを集めましょう。ショールームや住宅展示場で実際の住宅を見たり、写真集やカタログを集めてみたり、インターネット上で探すのも良いでしょう。
理想にこだわりすぎない
注文住宅のデザインを検討するときは、多くの理想や希望が出てきます。理想を持つことはとても大切なことです。しかし、理想を追求するあまり、デザインだけにこだわりすぎるのも問題になることがあります。
デザインは理想通りでも、実際に住むと自分や家族のライフスタイルには合っておらず、暮らしにくい家になってしまいかねません。
また、ライフスタイルは年月を経ると変わることも念頭に入れておきましょう。住みはじめた当初は問題がなくても、家族の成長や自身の加齢により、また違う問題が生じることもあります。
理想をふまえながら、暮らしやすい家づくりのためには、専門家に相談しながら進めていくようにしましょう。
▼こちらの記事では新築住宅で内装をきめるコツについて紹介しています。詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
▼こちらの記事では注文住宅の失敗ケースを解説しております。あわせてご覧ください。
納得のいく住宅づくりを目指そう
注文住宅のデザインは、すべてを自分の好きなように決めることができるため、何から手を付けて良いか悩んでしまうものです。
まずはどのような家にしたいかというイメージを固め、それから外観、内装と細部を決めていくことがおすすめです。実際に暮らす家族で話し合い、プロである設計者や業者に相談しながら、後悔のない納得の行く家づくりを進めていきましょう。
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